映画「キャピタリズム 〜マネーは踊る」について

  • 2009/12/27(日) 16:53:03



映画「キャピタリズム 〜マネーは踊る」を見た感想を書いてみます。



 この「キャピタリズム〜マネーは踊るを見て
(文章中の「」は「キャピタリズム」のパンフレット中の「小学生でも2時間で分かる世界同時不況のすべて」からの抜粋)



「アメリカでは今、8人に1人が7秒半ごとに家を失っている。」「いまアメリカ中に、表面下でぐつぐつ煮えたぎる怒りが蔓延している。この映画を作りながら、僕はずっとそれを感じていた。」

映画「キャピタリズム」にひきこまれていった。
「華氏911」も見たけれどそれよりもはるかに面白かった。
事実を語った映画がなぜこれほど私をひきつけたのか?
それはアメリカの現実というだけではなくて日本の現実でもある。
見終わって、できるだけ多くの人にこの映画を見てもらいたいと思った。
アメリカの国民がどんなであるかということがよくわかる。何を思い、嘆き、悲しんでいるかが。
テレビでも新聞でも報道されないアメリカがある。
それはそしてそのまま日本にもあてはまることだ。特に政権与党の立場にある議員には見てもらいたい。

「今では大学の入学式に、クレジット会社が子供たちにサインさせるための机がずらっと並んでいる。そして彼らは学生ローンで、卒業後の20〜30年も借金まみれになる。」

「いきなり解雇され路頭に迷う労働者たち、差し押さえられた家の前で泣きながら家具を燃やす夫婦、ワーキングプアばりの低賃金でこき使われ借金と過剰労働から航空事故を起こすパイロット、きわめつけは受取人を会社にした生命保険を社員にこっそりとかけ社員が死ぬと保険金をまるまる会社が手にいれる」


日本の少年院にあたるペンシルベニア州の更正施設は民営化されてから、刑期を不当に延長したり、些細な少年犯罪にも有罪にして入所させてほしいと判事に利益供与を行い、常に経営のため満杯にするように司法ぐるみで仕向けられるようになった。

「ムーアが子供の頃の1950年代、父はGMの従業員だった。幼稚園の時にはマイホームがあり、3年ごとに車を買い換え、1年おきには夏はNYへ旅行した。組合の保険で医療費は無料。借金せずとも大学に進み、年金は積み立てられ退職時に受け取れた。あの頃、人々は確かに資本主義を謳歌していた。

日本だって終身雇用と年功序列の日本型雇用に労働者は守られ、よっぽどのことがなければリストラもなく、ローンで家を買っても退職金で返済し、退職後は貯金と年金で暮らせた。一家の主のリストラの心配がなければ、安心して子供を産み育てることもできた。銀行に預ければ利息で預金は増えていった。生活の心配をさほどしなくても暮らしていくことができた。

ある意味で資本主義といいながらも民主主義も社会主義的福祉と呼べるものもあるような幅のある社会構造だったのかもしれない。それがピラミッドの頂点にいるものだけが富を得ることができ、それを支える底辺の者は働く場も家も奪われる。

資本主義がおかしくなりはじめたのはレーガンが大統領に就任し、ウォール街が政治を支配するようになってからだ。それまでのルーズベルト大統領が生きていたらこのような事態にはならなかったと映画では悔やむ。ルーズベルト大統領の教えを受けた者が日本やドイツなどの敗戦国の憲法制定や民主国家樹立に寄与したため、これらの国にはアメリカにはないような国民皆保険制度などの社会保障が整っており、最低限の国民の生活が保障されている。

ニューディール政策を始めたルーズベルト大統領最後の演説(1944年1月11日)はアメリカ憲法で保障された「幸福の追求」をより具体的に実現するための新しい権利章典の提唱だった。ルーズベルトが掲げた権利は以下の通り。

 社会に貢献し、正当な報酬を得られる仕事を持つ権利
 充分な食事、衣料、休暇を得る権利
 農家が農業で適正に暮らせる権利
 大手、中小を問わず、ビジネスにおいて不公平な競争や独占の妨害を受けない権利
 すべての世帯が適正な家を持てる権利
 適正な医療を受け、健康に暮らせる権利
 老齢、病気、事故、失業による経済的な危機から守られる権利
 良い教育を受ける権利

 この演説の後すぐにルーズベルトは亡くなり、この権利章典は法制化されなかった。

ルーズベルト大統領亡き後、「1980年11月、かつてB級映画の俳優としてCMに出演していたレーガンが大統領に誕生。それは「ウォール街による国の掌握」を意味していた。投資銀行メリルリンチの会長ドナルド・リーガンが財務長官に就任、富裕層に減税を行い、産業基盤の解体を推し進めた。」これって小泉さんが首相になってすぐ高額所得者の税額を頭打ちにしたのと類似している。

「81年以降、平均株価は1371%増と企業は記録的な収益を上げたが、労働者の賃金は凍結。組合は解散、数百万人がリストラ、CEOと労働者の報酬差は649%増に広がった。以後倒産・リストラは加速していくことになる。

「シティバンクの極秘メモによれば、「米国の体制はもはや民主主義でなく『プルトノミー』になった」という。「底辺の95%の合計より多い富を所有する1%の最富裕層が、独占的に支配し、独占的に利益を得る社会」のことだ。

「今のウォール街はまるで『狂ったカジノ』、マイホームさえも賭けの対象になってしまった。『金融の神様』と呼ばれたグリーンスパンFRB議長は、『住宅資産の活用を』と呼びかけ融資規制緩和を実施。住宅を担保に融資を与え、さらに再融資して利殖できるようにした。契約書には極小文字で『利子が高くなる』と書いてあったが、返済できなければ家を差し押さえればいい。住宅ローン最大手のカントリーワイドは一般庶民に、そんな『サブプライムローン』を売りまくった。

一方、同社の会長は『友人』であるVIPには金利を優遇、その中にはウォール街を監督する立場にいる議員も含まれていた。住宅ローンの支払が焦げ付き始めると、大手金融機関のCEOは合併や買収を通して『勝ち逃げ』を決め込み、莫大な報酬を手にした。そして08年9月15日、リーマン・ブラザーズが破綻し、株価は大暴落。もともと不健全だった金融システムが崩壊したのだ。

元ゴールドマン・サックス会長のポールソン財務長官らブッシュ政権の幹部は、ウォール街のCEOと不良債権の買収にいくら必要か極秘会議を繰り返した。国民の税金7千億ドルを投入する救済法案が審議され議会は紛糾、一度は下院で否決されるが株価の大暴落と政治工作を経て、結局法案は可決。国が政治家ではなくウォール街に動かされる『金融クーデター』が起きてしまった。

ムーアは議会監視委員会の議長に『7千億ドルはいったいどこへ?』と尋ねるが、『分からない』と言われてしまう。ポールソン財務長官に電話しても、名乗った途端に切られる始末。それならば、実力行使しかない!ついにムーアは大型トラックに乗り込み、$マークのついた大袋を片手に『僕たちの金を返してくれ!』とNYウォール街へと突入して行く・・・!!

映画はここまでで終わっている。

パンフレットで森永卓郎氏が述べています。
「複雑で難解な金融の仕組みを作り上げ、価値のない金融商品の価格をつり上げて売りつけたり、危険なローンを契約させて、資本主義者たちが利益をむさぼった。その仕掛けを庶民は見破ることができなかった。しかし、金融資本主義が作り上げた砂上の楼閣は、ついに崩壊した。そのとき被害を受けるのが、マネーゲームに参加したプレーヤーたちだけだったら良かったのだが、現実にはマネーゲームとは無関係の国民が巻き込まれた。資本主義が牙をむいて、庶民に襲いかかってきたのだ。」

「彼らはお金を右から左に動かすだけで、何億円、何十億円という天文学的な報酬を得てきた。社会的な弱者が被害に遭う裏で、強者が莫大な利益を手にするというマネーゲームの構造は、マイケル・ムーア監督が批判し続けてきた戦争とまったく同じだ。だから、この映画が取り上げている「資本主義」は「金融戦争」と考えた方が理解しやすいのかもしれない。」

「そして、金融戦争も、本当の戦争も、それを仕掛ける人の思想には共通点がある。それは「自分の利益が増えるのであれば、自分と無関係の人が、泣こうが、わめこうが、死んでしまおうが一切構わない」と割り切っていることだ。マイケル・ムーア監督の怒りの矛先は、そうした思いやりのない、つまり愛のない人たちなのだ。」

 


 お金だけが目的の社会。国際化という名のもとに、各国の税金や年金が吸収されていく。世界政府・世界銀行樹立をもくろんだロスチャイルドの犯罪が明るみに出ようとしている。今、9・11事件も副大統領ディック・チェイニーとそれをあやつる国際銀行家ロスチャイルドの犯罪と言われている。

(1815年、ロスチャイルド家はイングランド銀行を支配下に置き、英国の通貨発行権と管理権を手中に収めました。1913年には米国に連邦準備制度(FRB)を設立し、米国の通貨発行権と管理権を手中に収めているのです。

21世紀初頭、ロスチャイルド家が中央銀行の所有権を持っていない国は、全世界でアフガニスタン、イラク、イラン、北朝鮮、スーダン、キューバ、リビアの七ヵ国だけでした。その後、アフガニスタンそしてイラクに対する米国の侵攻により、現在では残り僅か五ヵ国のみになっています。)

国民の命も世界支配のためにはどのようにも利用され、戦争さえそのために利用されるのです。それに気づきはじめた市民たちは立ち上がって行きます。この「キャピタリズム」でも国民が反対して法案を下院で否決するということや(政治工作により結局可決されるが)、差し押さえられて車上生活する家族を市民が集まり家に帰し立ち退かせようとする者たちから守ったり、差し押さえに立ち会う保安官が「市民を家から立ち退かせることは職務命令があってもしない」と報道関係者に毅然と言ったり、解雇された労働者たちを市民たちが食料支援して支えたりと、今までのアメリカでは伝えられなかった市民の姿が描かれています。

最初に書いた「いまアメリカ中に、表面下でぐつぐつ煮えたぎる怒りが蔓延している。この映画を作りながら、僕はずっとそれを感じていた。」というムーアの言葉はこのような市民の行動から来ているものです。

以前書いた「キャピタリズムと日本の政権交代」 
http://wajuntei.dtiblog.com/blog-entry-563.html

 
のときにはこのような映画とは思わなかったのですが、アメリカだけでなく日本が今後どう進むかということも考えるうえで、見るに値する映画だと思いました。アメリカも日本も政権交代して、国民の立場に即した民主主義が息づきはじめていると、市民の力が政治を変えはじめていると見終わっても何だかうれしくなるような映画でした。 


パンフレットで堤 未果ジャーナリストが述べています。
「そこで気づかされる。この映画のテーマが、決してアメリカ一国の話ではないことに。国家の行方を左右する穀物や石油、為替だけでは飽き足らず、医療や教育、人々の暮らしまでギャンブル商品に変えられる。規制を緩めるために巨額の献金とネットワークで政治に圧力をかけるそのゲームに、国境などないからだ。

ムーア監督は最後に言う。『あなた達みんなの力が必要だ』と。真の犯人がサブプライズローンでもアメリカという国でもなく、一部の人々が陶酔する「欲望のゲーム」だと知った時、私たちの目に映る世界は形を変えるだろう。映画がヒットするたびに圧力を受け、今やSPと共に移動するムーア。彼は知っているのだ。狂ったゲームを止めるためには、真実を知る人々の数こそが力になることを。」 

今日のTBSテレビ「サンデーモーニング年末スペシャル」で第2部「世界の行き詰まりと時代の要請」{米国最大のカジノ街の地下住民。 格差と国債・不安日本。 資本主義その功罪。 ムーア監督怒りの告発。 なぜ限界?成長神話。 破綻国再生の道と意識の変革 }はとてもよかった。
 政治家を並べ、どの政党がいいかというのではなく、どの政党もアメリカのこの種の問題から日本の国をどのような国にすべきかというようなこれからの指針を提供でき、議論や学びの場となるような番組を放送してほしい。

そうすれば、安易に日本にカジノを持ってこようというような愚かな発言をする議員に、賢い国民は踊らされることもないであろう。
国民が目覚めることが私達の生活や日本の国を守ることになるのだと気づかなければと思う。

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